とある定休日、黙々作業すること5時間・・・
当店の壁に大きな世界地図が現れました。
コーヒーを淹れる私たちはもちろん、お客様に少しでもコーヒーの生産地や現地で働く方々をより近くに感じてもらえたら、という想いで設置しました。
スペシャリティーコーヒーを楽しむ
最近になり
「スペシャティーコーヒー」
という言葉を耳にすることが多くなってきています。
なんとなく高級なコーヒーなのかな?と思われている方も多いと思います。
もちろん品質がよいという点ではその通りなのですが、
もうひとつの特徴として
「生産された場所が分かる」
ということがあります。
実は同じ国や地域の農園でも栽培にかける想いや生産工程、品質は全く異なり、コーヒーの風味や味もまったく違うのです。
これまでの一般的なコーヒー(コマーシャルコーヒーと呼ばれたりします)は、品質の良しあしにかかわらず、いろんな産地、農園の豆を混ぜて販売されていました。
豆の評価も厳密にはされないため、丁寧な仕事をして質の高いコーヒーを生産しても報われない時期が長く続いていたのです。
これでは生産者のモチベーションは全く上がらず、品質の良い豆がなかなか作られることはなくなっていきます。
この状況を変えるための一つの考え方が「スペシャリティーコーヒー」なのです。
”手間暇をかけて良いものをつくれば報われる”
努力が報われれば、また良いものをつくろうとする人たちが増えてくる。
販売側も消費者もそれを理解し、生産者の方々が報われ、さらにコーヒー業界も発展していく。
こういった取り組みが背景にあります。
産地を知り、大地を感じる
先日、ボリビア研修報告会に参加し、
コーヒー生産者の方のお話を直接聞く機会がありました。
いろいろなお話の中で特に印象に残ったのが、
”自分たちの住む環境、大地の恵みであるコーヒーの美味しさを届けたい。コーヒーを味わうということは、その豆が育った大地そのものを味わうこと。”
という言葉にとても感銘を受けました。
近年、コーヒー業界では伝統的なナチュラル精製やウォッシュド精製に加え、
アナエロビック(嫌気性発酵)など科学的な検証に基づく新たな精製過程も登場し、注目されるようになってきました。
そのおかげもあり、これまでになかったような風味をもつコーヒーも楽しめるようになってきました。
しかし、生産者の皆さんがおっしゃっていたのは
どんなプロセス(精製)を経たコーヒーであっても
それぞれのコーヒー豆(大地)が本来もつ香り、味をしっかりと感じてほしいとおっしゃっていました。
豆の価格や色々な情報に捉われず、自らの五感をフルに使って目の前のコーヒーを純粋に感じてほしい。
そういった想いがとても伝わってきました。
ぜひ皆さまもコーヒーをご注文の際は、生産された国や土地のこと、
そこに暮らしコーヒーを育てている方々に少し想いを巡らせていただければ嬉しいです。
それでは皆さま、素敵なコーヒータイムをお過ごしくださいませ。